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自閉症の息子が生きた5年間の軌跡

私の大切な息子は知的障害を伴う自閉症でした。5年間という短い人生でしたが、彼はたくさんの宝を遺してくれまいた。

お母さんたちの想いが詰まった療育園の文集は、私の一生の宝物【自閉症児育児】

ハルへの思い 療育園

ハルが通っていた療育園では、年度末に保護者が文集を書くことになっています。

 発行は3月の卒園式の日なのですが、原稿に締切が年明けすぐぐらいなので、年が明けたら、みんな大忙し。 

在園児保護者は、原稿用紙5枚以内

卒園児家族は原稿用紙20枚以内

在園児保護者は、父親か母親のどちらかが書きます(ほぼ母親が書いています)

卒園児は、家族となっていますが、これは父、母に加えて、きょうだいも書いOKです。 

 

原稿用紙20枚なんて書けないよ・・・と思いますか?

 生まれてからのことを書いていると、結構書けるものなのです。

 発達障害かもしれないと思っていた時期や自閉症と診断された時の心境なんかを思い出していると、書きたいことは山ほどあるけど、胸が詰まって書けなくなってきます。

 では、ハルが2歳児の時の文集です。 

※療育園の名称は、仮で たいよう園としています。

※ここでは、ハルの兄を”お兄ちゃん”としています。

※読みやすいように、改行しています。

 

 2歳児さんは元気いっぱい

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「毎日療育を受けることができたらいいね。」

と主治医に言われたのは、ハルが二歳四ヶ月の時、自閉症と診断されたのと同時でした。

 私としても療育を毎日受けることができたらいいなと思っていたので、たいよう園(仮)へ入園希望を出すことに迷いはありませんでした。

主治医、園長先生からは

「定員もあるから2歳児さんの入園は難しいかもしない。」

と言われましたが、子ども・障害者センターでの面接の時に必死に訴えた成果もあったのか、二歳児ではハルだけが入園することができました。

しかし、待機児童となってしまったお友達の事を考えると、手放しで喜ぶことができなかったのが実際のところです。

希望した人達がみんな入園できるようになる日が早く来ることを願っています。

 通い始めた頃は、登園バスも泣きながら乗るし、給食はほとんど食べていないし、帰宅後もぐったりしていて、いつもの元気なハルの姿はなく心配しました。

 しかし今では、自らバスのチャイルドシートに座りに行き、

隣のお友達の給食のおかずを取りに行こうとしたり、

お餅つきの時には十個以上のお餅を食べ、

いつのまにか自転車に乗ることができるようになっていたり、

親子保育の時に散歩に出ると他のお友達の何倍も歩いたり、

帰宅後も体力があり余っていて、外に遊びに行きたがったりと、

たくましくなりました。

 ハルが通園し始めてから、私自身にも少し余裕が出てきたと同時に、長男(ハルとは2歳離れています)との関係も変わりました。

親子教室に通っている頃、ハルは家の中では二階であろうと窓を開けて外に出ようとしたり、その他にも危険なことばかりしようとするので、目を離すことができませんでした。

3人で公園へ遊びに行っても道路に出てしまわないように、走り回るハルを追いかけまわすばかりでした。

結局、家の中でも外でもお兄ちゃんとゆっくり遊んであげることはできていませんでした。

「ハルばっかり。」とは言われなかったものの、彼は我慢していたと思います。

今は、お兄ちゃんが幼稚園から帰って来てから、ハルが帰ってくるまでの二時間半は、私とお兄ちゃんの大切な時間となっています。

そして、それまでは平行線だった兄弟関係も徐々に接点ができてきたように感じています。

今現在は、とても園生活を楽しむことができているようです。

残念ながら「イヤダー」以外の言葉は出ていないので「楽しい」とはハルの口からは聞くことはできませんが、

毎日いろいろな手遊びを見せてくれ、元気いっぱいに走り回ったり、

ピョンピョンと飛び跳ねている彼の顔は、

とてもいい顔をしているので、言葉がなくてもわかります。

最近のハルのお気に入りは、みんなの背中に飛びつくことです。

背中を見せたら最後、ものすごい勢いで飛びついてきます。

ハルは、人より物が好きで親の私達にさえ抱きついたりしない子だったので、とても嬉しいことです。

これも園でお友達や先生方と遊ぶことによって刺激を受け、人と関わることの楽しさを感じたからなのかなと思っています。

これからもっといろいろな経験をして、好きな事、できる事を増やすための手助けをし、ハルの成長を慌てず見守っていきたいと思います。

そして私もハルの成長に負けないように成長していきたいと思います。

 園長先生をはじめ、先生方、一年間大変お世話になりました。

ハルのわずかな変化にも気付いてくださり、その都度対応してくださった先生方には本当に感謝しています。

ますます活発になると思いますが、来年度もよろしくお願いします。

 最後になりましたが、〇〇〇グループの皆様、ご卒園おめでとうございます。

一年間という短い期間ではありましたが、お世話になりました。

春からは新しい環境で馴れないこともたくさんあるとは思いますが、たいよう園での経験を信じ頑張ってくださいね。

 

  他のお母さんが書いた文章を読むと涙が止まらない

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こんな感じの作文を各保護者が書きます。

 卒園児さんの文集は、本当に涙なく読むことはできません。

 ハルが入園した時には、卒園児さん(5歳児さん)って、すごくしっかりしているんです。

 でも、生まれてからのエピソードや療育園に入園した頃のエピソードを読むと、本当に泣けてきます。 

今は、こんなにしっかりしているお兄ちゃんやお姉ちゃんも、入園したときはハルみたいな感じだったんだな・・・とわかると、

今抱えている悩みも「どうにかなるかな・・・」と少し軽くなりました。

 療育園の連絡ノートにしても、こういった文集にしても、面倒ではあるのですが、今となっては大切な宝物です。

 連絡ノートや文集を読み返したら、生きていた頃のハルがいつでも蘇ってきます。

 この中では、ハルはいつまでも生き続けているのです。