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自閉症の息子が生きた5年間の軌跡

私の大切な息子は知的障害を伴う自閉症でした。5年間という短い人生でしたが、彼はたくさんの宝を遺してくれまいた。

結婚式の時に泣いている子どもに対して「集中できないから静かに」と言う、つまらないスピーチをするオジサン

自閉症の息子の5年間の軌跡に来ていただきありがとうございます。

今回は、今思い出すだけでも悔しいお話をしたいと思います。

このブログの説明は⇒ハルの笑顔はヒマワリの花【ブログ説明】 

 

 2011年6月5日(日)

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母(私)の従妹の結婚式に出席しました。初めての場所、触りたいものがあるけど、触れないので、だんだん機嫌が悪くなり、披露宴の時に大泣きし始めました。

新郎側の主賓の祝辞の時にも大泣きしている(会場を出るにも嫌がるので、仕方なく会場内にいました)と、「集中できる状態ではないので、静かにしてもらえますか」と言われました。

 会場から出るのを嫌がるハルを会場から連れ出すと、張り詰めていた糸が切れてしまったように涙があふれてきて、お手洗いに逃げ込み泣いてしまいました。

私もハルも気持ちが落ち着いた後、会場に戻り、ハルは落ち着きはないものの、なんとか乗り切れました。

  地獄の披露宴

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従妹の結婚式に招待され、長男にリングボーイをやって欲しいと言ってくれたので、楽しみにしていたのですが、新郎側の主賓の一言で、ある意味忘れられない結婚式になった。

ハルを結婚式に連れていくのには迷いがあった。ハルは、4歳だけど言葉が出ていない知的障害を伴う自閉症児。初めての場所も苦手だし、じっとしているのも苦手。結婚式はハルにとって悪い条件が揃っている場所。でも預ける人もいなかったので、不安を抱きながらも連れて行った。

挙式の時も泣きだしたらすぐに出ることができるように、係りの方に声を掛けていたが、泣くことはなくおとなしくしてくれていたので、一安心。

長男もリングボーイの役目を立派にこなしてくれ、一安心。このまま楽しい思い出だけの結婚式になって・・・と思っていた。

でも、披露宴は・・・かなりぐずり出した。

披露宴の会場から連れ出そうとしても出ようとしない。(まるで誘拐犯みたいでした)しかたなく、会場にいて、ハルの気を引くように絵本を見せたり、おもちゃを渡したりしていました。こんなことをしていたので、正直、従妹のドレス姿がキレイだった以外は、披露宴の内容なんて頭には残っていない。

 ただ1つ覚えているのは、新郎側の主賓の挨拶。

新郎側の主賓のスピーチが始まった時は、おとなしく料理を食べていたハル。私もスピーチに耳を傾けていたが、「大学の教授の割に面白くない話だな・・・」と思っていた矢先、ハルがぐずりだしました。何がきっかけだったのかは忘れてしまったが、大きな声で泣き出した。大学教授のつまらない話も聞こえないくらいくらいの大きな声で。

泣き止まそうとしたが、どうしても泣き止んでくれない。抱っこして連れ出そうとしても暴れる。心の中で、すみませんと繰り返すだけしかできなかった。そうすると、大学教授は、あまりにもうるさい状況に痺れを切らしたのか

「集中できる状況ではないので、静かにしてもらえますか」

と言いはなった。

 本人は本気で言ったのか、ギャグのつもりで言ったのかのは知らないが、会場はクスリともしなかった。そして、私の張り詰めていた糸がプツリと切れ、その場にはいられなくなった。

暴れるハルをラグビーボールのように無理やり抱えるようにして会場を出て、お手洗いに行き、泣いた。ハルも大泣きしている。

「ハルちゃん、お願いやから泣き止んで・・・お願い・・・」

と私も声をあげて泣いた。

ハルの発達の遅れに気づき、自閉症と診断され、とにかくいろんなことが不安で、でも前を向いて歩いて行かないと、どうにもならない。毎日泣きたい気持ちを抑えて過ごしてきた。そんな中でのあの大学教授の言葉は、私を傷つけるのに十分すぎた。

 ある主賓の神対応スピーチ 

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確かに、ハルの泣き声がうるさかった。でも、子どもが泣いていても、みんなを惹きつけるくらいのスピーチをしたらよいのではないか?それができないからって、泣いている子どもに対して「静かにしてください」はないだろ。しかも、誰も笑ってない。

というか、会場内が笑いに包まれるような話をしてくれたら、ハルの泣き声なんてめだたない。

友人の結婚式に招待された時、主賓の挨拶の時に新婦の姪っ子ちゃん(お姉さんの子

)が泣き出したのです。その時スピーチされていた新婦側の会社の上司は、

「僕の話がつまんないから泣き出しちゃいましたね」

と笑いを会場の笑いを誘った。

そして、「ちゃんとした挨拶を考えてきたのですが、やめます。」と言い出し、会場内もザワザワ。新婦のお姉さん(泣いている女の子のお母さん)も気まずい表情でお子さんを連れて席を立とうとしていた。

「あっ、せっかくの披露宴なんやから出ていかないで、きれいな新婦さんを見てあげて。僕がちょっと大きな声で喋ったらいいことやから」と素敵な言葉。

「子どもって、泣くのが仕事なんですよね。大きな声で泣いているのは元気の証。〇〇さんもあんな元気な赤ちゃんを産んでくださいね。そして、育休から戻ってきた時は、また一緒に働きましょう。〇〇さんがいないのは痛手ですが、『早く戻ってこい』なんて言いません。お子さんとの大切な時間を過ごしてください。」とアドリブで妊娠中の新婦へのメッセージに変更。

この神対応に、会場内からは大きな拍手が。新婦も新婦のお姉さんも涙を浮かべていた。そして私も感動して涙が止まらなかった。