自閉症児の弟を叱っても理解できないから、お兄ちゃんを叱る??
私の息子のハルは知的障害を伴う自閉症でした。2012年に5歳のお誕生日を目前にして亡くなりました。
ハルには2歳離れた兄がいます。今回はハルとお兄ちゃんのエピソードをハルが通っていた療育園で使っていた連絡ノートをもとに紹介します。
連絡ノートの説明はこちら→ハルの笑顔はヒマワリの花【ブログ説明】
自閉症の弟と兄は一緒に遊ぶのが難しい
2010年5月23日
お兄ちゃんのクーピーが好きで、眺めたり色を入れ替えたりしていました。
あと、なぜかクーピーを見ながら、ゴリラのように胸を両手で叩いていました。
2011月5月25日
お兄ちゃんが床にカードを並べているのを見て、同じことをしたくなったようで、触りに行ったら、怒られたので泣いていました。
しかし、代わりにカルタを出してあげると泣き止みました。
そしてカルタの絵札を一直線に並べていました。
少し歪んでしまうと、腹が立つのか泣きながらも元に戻そうとしていました。
これはこの頃では珍しい光景です。
長男がカードを並べていたのを「並べ好き」のハルの目に留まりました。
しかし、長男もまだ幼稚園の年中さん。 ハルに譲ることなどできません。
一緒に遊べたらベストなのでしょうが、この時はお互いにできませんでした。
ですから、カルタを出して、ハルはハルの遊びをやりたいようにさせました。
ハルは、こういう時、とても几帳面で、少しでも歪むと許せなくて、泣きます。
でも、泣きながらも、腹を立てながらも、一生懸命きれいに並べます。
健常児の兄と自閉症児の弟・・・どちらを叱りますか?
長男とハルの年齢差は1歳9ヶ月。
もう少し年が離れていたら、「お兄ちゃんなんだから!」と長男に我慢するように言ってしまっていたかもしれません。
私は、できるだけ悪い方を叱るようにしていました。
今回のような件ではハルを叱ったりはしません。
しかし、長男の大切な物を壊してしまったりしたら、 長男に「大切なものをハルの手の届くところに置いておくのが悪い!」と叱るのではなく、ハルを叱っていました。
当時は、叱られているのはわかっていません。
それでも、ハルの目を見て・・・目が合わなくても合わせて・・・
正直、叱ってるのか何なんだかわからない状態でした。
それでも、長男からしたら、ハルが悪いことをしたのに自分が叱られたのでは納得できないでしょうから、 理解はできていないとしても、この方針は貫きました。
物分りがいい”きょうだい”だとしても、我慢させるのは可愛そうですよね。
うちの長男は、ハルに譲るということはあまりしませんでしたが、自分が1歩引いて、我慢してくれた時には、
「譲ってくれてありがとうね。でも、我慢しなくてもいいんやで」
と声を掛けるようにしていました。