発達障害児のきょうだいが甘えてきたら何歳であっても受け入れてあげて
病気や障がいを抱えた子の兄弟姉妹を”きょうだい”や”きょうだい児”と表現します。私の息子のハルは2歳半で自閉症と診断されました。ハルには2歳離れた兄がいます。その兄が”きょうだい(きょうだい児)”となります。
きょうだい児には、たくさんの苦悩があると言われています。そんな中で、ただ「障害児の兄弟姉妹」という言い方より、「きょうだい(きょうだい児)」の方が社会に訴えていくのには適しているように思います。
今回は、きょうだい児についてのお話を紹介します。
自閉症の弟と定型発達の兄との関係は?
下は、ハルが通っていた療育園の連絡ノートに書いていた内容です。(連絡ノートの詳細はこちら→ハルの笑顔はヒマワリの花【ブログ説明】)
兄が塗り絵をしているのを見て、自分もお絵描きをしたかったようで、 兄の隣に座り、紙になぐり描きをしていました。 紙からははみださずに、上手にぐるぐると描いていました。
どちらかというとお絵かきには興味を示さなかったハル。
しかし、お兄ちゃんが塗り絵をしていたのを見て、珍しくお絵描きを始めました。
ぐるぐると色んな色を使い、描いていました。
この時は、まだ閉じた〇を描くことはできていなかったと思います。
お互いにコミュニケーションを取っているわけではありませんが、隣に座って、同じ空間で遊んでいるのを見ているだけで幸せでした。
お兄ちゃんの左側にハルは座ります。
右利きのお兄ちゃんと左利きのハルだから、 ハルがどんなに豪快に腕を動かしてお絵描きをしてもぶつかることはありません。
お兄ちゃんとハルの関係と同じように、ぶつかることはありませんでした。
ハルが障害を抱えていなかったら、二人でもっと一緒に遊ぶことができたんだろうな。 お兄ちゃんも、もっと楽しく遊べたのかな。
そんなことを思ったこともあります。
でも、お兄ちゃんにとって、ハルだけが弟で・・・
障害を抱えていても、たった一人の弟で・・・
私自身は一人っ子で、周りから
「寂しいでしょ?」
と言われたこともありました。
でも、兄弟姉妹がいないのが常である私にとっては、 兄弟姉妹がいることが想像できないので、寂しくはありませんでした。
だから、お兄ちゃんにとっても、話せなくても、コミュニケーションが取ることができなくても、弟はハルだけだから、お兄ちゃんにとっての兄弟像は、自分とハルとの関係だけなんだろな・・・と思っていました。
きょうがいが甘えてきたら小学校高学年でも甘えさせる?
障害を抱えた兄弟姉妹を持つ”きょうだい”は、我慢することも多いと思います。 自分が兄姉の立場なら余計に。
弟や妹に手がかかるのがわかっているから、無理を言わない、甘えない子もいるそうです。
しかし、障害を抱えた兄弟姉妹の様子が、成長と共に落ち着いてきた時に、無理を言ったり、甘えてくる子もいるそうです。
それが、小学校高学年になって出てくることもあるそうです。
そんなときは、「もう大きいんだから」って突き放すのではなく、思う存分甘えさせてあげることも大切だそうです。
普段は、どうしても手のかかるお子さんの方に目が行きがちで、無理を言わないきょうだいに目が向かない(目を向ける余裕がない)こともあると思いますが、
きょうだいにもきちんと向き合ってあげたいですよね。
ちなみに、ハルの兄は今小学5年生。
去年の秋頃から、甘えてくるようになりました。
私に抱きつきに来たり、手を繋ぎに来たり、学校の担任の先生(20代後半の男性)に抱き付きに行ったり・・・。
先日、授業参観の後の学級懇談会で、名前こそは伏せてくれましたが、
「僕に抱きつきに来たりする子もいます。4年生にしては少し幼いのかなと感じています。中には女の子もいるのですが、女の子には『君たちは女の子なんだらか、やめておこうね』と言っています」
と話していました。
学級懇談後、先生とお話して、これまで甘えることがあまりなかったことを話しておきました。
「そうですか、それなら、僕でよければ」と言ってくださいました。
ハルが亡くなって4年。
ようやく甘えることができるようになってきたようです。